認知症になった場合の財産管理
事例から学ぶ基礎講座
相談編では何もしなかった場合のデメリットをご紹介しました。
今回は「成年後見制度を使った場合」と「家族信託を使った場合」の違いを解説していきます。
さて今回はどんな解決策があるのでしょう。成年後見制度と家族信託の違いにご注目ください
②成年後見制度を使った場合
●成年後見制度とは
家庭裁判所によって選任された後見人が認知症などで判断不十分になった方の財産を保護するための制度。
●成年後見人を利用した場合
・他のアパートの建替えによる資産を逓減させることは相続税対策となってしまいできない。
・相続が発生した後、期限内に法定相続人の間で、誰が何を相続するか遺産分割協議をまとめる必要がある。
●ご本人にある程度の金融資産がある場合には、親族が成年後見人になれず、司法書士・弁護士等の専門家が選ばれる可能性が高い。
※成年後見制度はあくまで、本人の財産を維持・管理するための制度です
③家族信託を使った場合
●家族信託とは
家族に自分の財産を信じて託し、代わって管理してもらう制度
●所有者である父を委託者、長男を受託者、実際に権利を持つ父を受益者とする信託契約を結ぶ。
●信託を利用した場合
・名義だけを長男にしているため、贈与税や譲渡所得税等は発生しない。
・将来父の判断能力が喪失した場合には受託者である長男が財産管理処分権限を持っているため入退去時の賃貸契約のほか、大規模修繕や建替え、売却も可能となる。
・信託契約の中に将来の相続が起こった場合、だれがどの物件を相続するのかなどを決めておけるため、別途遺言書を作成したり、相続発生後に遺産分割協議をしなくてすむ。
・受託者である長男の判断で大規模修繕、売却、賃貸借契約、管理委託契約ができます。
今回の事例はいかがでしたか？
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